清酒製造工程
水道水や河川水よりも一般的に硬度が高い井戸水を使用するのが一般的です。水温も低い為、酒造りに適しているのもあります。酒造用水の条件は、水道水よりも厳しく、特に嫌われるのは鉄分です。地層にろ過された井戸水は、まさにそのような条件に適しており、酒造りに最適しているといえます。弊社は、近くを流れる「揖斐川」の伏流水を使用しています。それをマイクロろ過したものを洗米に使用し、仕込み水は、更に炭素ろ過をしたものを使用しています。
7kg~12kgの子袋をつくり、1つずつ小型洗米機で洗っています。1分~3分程洗い、洗米機から出てきた米をシャワー放水して更に糠を取っています。そしてすぐに水をためた半切れ(おけ)に米を小袋ごと浸して水を吸水します。洗米と浸漬は、秒単位で行い、それぞれの数字はデータとして残しています。
強い火力のボイラーで蒸気が上がって50分程しっかり蒸します。蒸中もボイラーの火力調整を行います。蒸気の強さは、甑の中央部にあるコマをかえる事により調製しています。米の下にはダミー米と呼ばれるプラスックの米を引きつめ、蒸気の分散を図ります。
蒸した米をスコップで網目状の台に載せて水分の逸散をします。麹米は、ある程度の温度で、すぐに布にくるみ麹室に運びます。掛米は、添えは自然放冷。仲と留は、荒熱を台の上で自然にもしくは台の下から蒸気を取った後、竹のスノコに運んで広げて冷まします。
麹米を造る
麹を振る入れ物に種麹(もやし)を入れて蒸米に散布します。散布した後、布でくるみます。最も気を使う工程の1つです。
その後の製麹工程は、部屋の湿度と麹の品温との時間経過になる為、細かいデータを収集し、目的の麹を造るよう心がけます(同じ酒でも酒母と留の求める麹が違う為)。
酒母を造る
冷蔵庫内で酒母は造ります。速醸酒母という製造方法を行います。酒母は、しっかりした純粋な酒母を造るよう心がけます。重要な工程です。
もろみ(添・仲・留)を造る
添は、枝桶を造ります。 それを大きいタンクに移動して、仲、留と量を増やしていきます。低温発酵を行う為、30日~40日程かけてゆっくり並行複発酵を行います。絞る前には、ピルピン酸を測定し、5度までモロミを下げて絞ります。醸造アルコールを入れる時は、醸造アルコール温度も5度まで下げたものを使用します。入れてから、必ず2時間以上あけてから絞ります。
酒をしぼる
昔ながらのやぶた(フネ)と呼ばれる絞り機を使います。酒袋は、一度酒を通したものを冷凍し、洗わないでそのまま使用します。絞りは2日~3日で行い、絞った酒はすぐに瓶に入れ打栓して冷蔵庫に貯蔵します。袋吊は、酒袋を紐で吊るし、ポタポタ落ちたお酒(袋搾り)を採取します。フネで絞って2時間程のお酒(中斗り)も分けて採取します。袋吊のお酒は、瓶に入れるか、斗瓶と呼ばれる瓶に入れて冷蔵庫に貯蔵します。
お酒を温めて殺菌する(火入れ)
火を入れる時は、瓶をお湯に入れます(55℃程になったら出来るだけ早く品温をさげ冷蔵庫に再び入れる)。